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国民年金への加入|脱サラ起業パーソンの「完全」退職後マニュアル

Photo by Caroline Hernandez on Unsplash

脱サラしたら国民年金に加入しよう!

これは、脱サラして〇〇で起業しよう!めっちゃ儲かるから…というマニュアルではありません。

脱サラした後にしなければいけない膨大な手続き(年金・健康保険・企業型確定拠出年金移管)などを実体験をもとにまとめたものです。

内容の正確性は保証しておりませんので、不明点は、市区役所・町村役場の国民年金担当窓口にご相談ください。

ということで第1回は、国民年金への加入です。

企業勤めで厚生年金に加入していた方が、退職した場合、転職などでブランクなく(←この意味の理解が難しい)次の企業に勤めた場合や自身の法人を即時登記し社会保険(厚生年金・健康保険)に加入した場合などを除いて、国民年金への加入が必要になります。

退職後 → 即起業(法人登記・社会保険加入)

ブランクなく転職のケースと同様ですが、このケースも基本的には国民年金の加入手続きは必要ありません。

が、いくつか注意するポイントがあります。

このブランクなくというのが厳密にどういう意味なのかが問題になってきますが、退職日がその月の末日か、月中かで大きく変わるようです。

例:12月31日付けで退職した場合
○ 1月中に法人登記及び社会保険加入手続き完了 → 国民年金加入手続き不要
× 1月中に法人登記したが社会保険未加入 → (1月分の)国民年金加入手続き必要

例:12月30日付けで退職した場合
× 1月中に法人登記及び社会保険加入手続き完了 → (12月分の)国民年金加入手続き必要

これは、

社会保険の資格喪失日 = 退職日の翌日
社会保険の加入資格の有無 = 月末日時点での在籍の有無

となっているためです。

※参考:厚生年金保険法 第十九条
被保険者期間を計算する場合には、月によるものとし、被保険者の資格を取得した月からその資格を喪失した月の前月までをこれに算入する。

退職後 → 法人登記・社会保険加入までにブランクがある場合

社会保険の資格喪失日(退職日の翌日)の当月中に法人登記・社会保険加入が完了しない場合は、国民年金への加入手続きが必要です。

前記のタイムスケジュールから逆算すると法人登記から社会保険への加入手続までをよほどスムーズに進めない限り、国民年金への加入手続は必要になりそうです。

勝手な想像ですが、多くの人のケースで、最低1ヶ月は国民年金に加入する必要が出てくるのではと思います。

そして、問題は、国民年金は自身での(扶養している家族がいれば家族も)加入手続きが必要となるため、この手続きを忘れてしまうと未納期間が生じてしまいます。

退職後 → 即起業(個人事業主)

ここまでは、起業=法人設立としてお話してきましたが、個人事業主として起業する場合はどうなるでしょうか。

個人事業主の場合、ポイントとなるのは常時働く従業員の数が5人以上かどうかです。従業員が5人以上いる事業所では、社会保険への加入義務があります(除外される業種あり)。

となると、これまたよほど用意周到に準備された起業で無い限り、当初は国民年金加入からのスタートとなると思います。

あえて、社会保険に加入したいというケースの場合は、任意適用申請の手続きを取ることになりますが、保険料の滞納の恐れがないかなどを確認するために原則3ヶ月以上の事業継続が必要となるようです(これも原則なので例外あり)。

いずれにせよ個人事業主として起業した場合は、国民年金への加入が必要なケースが多そうです。

国民年金の加入手続

住まいのある市区役所・町村役場の国民年金担当窓口で手続きします。必要となる書類などは、各役所のウェブページなどで説明されています。

一般的なケースだと

  • 印鑑
  • 年金手帳
  • 離職証明書(またはそれに準ずる退職した事実が確認できる書類)

を持参するケースが多いようです。

扶養家族(配偶者)がいる場合

従来、社会保険の扶養家族としていた配偶者(夫・妻)がいる場合は、その配偶者も国民年金の加入手続きが必要となります。

国民年金の第3号被保険者制度という会社員や公務員に扶養される配偶者は、年収など一定の条件下で期間中は保険料負担なしに保険料納付済とされる制度がありますが、自身が退職などで社会保険の資格を喪失した場合は、配偶者も第3号被保険者の資格を喪失するためです。

自身の手続きで手一杯で配偶者の加入手続きを忘れていた…なんてよくありそうですよね。お気をつけください。