BOOK REVIEW

読みました「明日を生きるための教養が身につく ハーバードのファイナンスの授業 / ミヒル・A・デサイ」
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金融関係と聞くと、俗物的で虚構の世界でお金を稼ぎ、何やら胡散臭いという印象がつきまとうという人も多いのではないしょうか。頭は良いけど利己的な人が就く仕事、そんなイメージもあるのが金融の世界。

しかし、そのバックグラウンドにある知識は、農耕が生まれて、人類が社会を形成するなかで積み重ねられた実用的な知恵が多く、日常生活においても非常に有用な知識であるのも事実です。

実際、中等教育過程(中学や高校での授業)で「金融」のカリキュラムがないことは、多くの人を不幸にしていると思います。お金にまつわること、保険、借金、複利、レバレッジなどの知識をしっかりと噛み砕いた上で、最低限の知識を身につけさせることは、社会生活を営む上で必須だと感じます。

残念ながら、多くの人はそういった知識を身につける機会もなく社会に放り出され、自己責任の名の下に自分の貴重な資産や時間を詐取されたり、搾取されることになるわけです。

本書は、ありがちでキャッチーな邦題がつけられていますが、ファイナンスをはじめとする金融の知恵が、実生活においていかに重要かを歴史や文学作品を通して紹介していくスタイルです。

残念ながら、金融やファイナンスをかじっていない人にとっては、読みづらい面もあり、万人に勧められる書籍ではありませんが、実生活により近いところで、ファイナンスの知識がいかに役立つかという切り口は、非常に重要です。

逆説的ですが、この書籍に書かれている内容をなんとなくでも理解できないと、魑魅魍魎が跋扈する実社会では、お金のトラブルに足をすくわれる確率がぐっと上がりそうです。

TRAVEL

海外旅行保険は加入必須!!|海外への旅のしおり
Photo by Fred Mouniguet on Unsplash

海外旅行保険は入っておいたほうが良い

人生初のタイ(バンコク)に行ってきました!ということで、断続的に旅での発見などを綴って行きたいと思いますが、旅立つ前についつい忘れがちな、海外旅行保険の加入は必要か!?という考察。

色んな人と旅をしていると稀に海外旅行保険に加入していないという人に出会います。石橋を裏から叩いて渡るタイプの私は、旅を同行する人には海外旅行保険の加入を猛烈にオススメしています。

海外旅行保険のポイントは、治療費用・賠償責任・救援費用

「保険は不幸の宝くじ」という話を聞いたことはありませんでしょうか?そう、本来は起こってほしくない事が、不幸にも起こってしまった時に助けになるのが保険の本来の機能で、何事も無ければ無駄になる宝くじなのです。

で、保険を検討する場合は、想定しうる最大の不幸を考慮に入れて契約内容を決めれば良いということになりますが、海外旅行保険の場合は、損害額が青天井なのが、治療費用・賠償責任・救援費用の3つです。結局、ここをしっかりカバーしていれば良いのではないでしょうか。

例えば、損保ジャパン日本興亜の治療費用の支払い事例を見てみると、

  • アメリカで交通事故 → 229万円
  • アメリカで溺れてICUへ → 1500万円(保険カバー額を超過しさらに2500万円以上の自己負担あり)
  • 中国でバス事故 → 666万円
  • スペインでホテルのベランダから落下 → 576万円
  • アメリカで心筋梗塞 → 1311万円

と恐ろしい事例が並んでいます。

発病や事故は、まったく予想できませんから、100万円はおろか500万円でも足りません(個人の感想です)。

病気以外にも、なにか器物を破損したり、他人に怪我をさせたりといった場合の賠償責任補償や自身の病気や事故によって看護師・家族等の救援者が必要となった場合の費用などをまかなう救援者費用も金額が大きくなったり、命に関わる部分なので、しっかりカバーしたいところ。

後遺障害・死亡保険や携行品損害補償は各自のライフスタイル次第

事業を営んでいて個人保証の借金がある場合や自身が家族の主な収入源である場合には後遺障害・死亡保険が、盗難された際に諦めきれない携行品がある場合は、携行品損害補償が、必要な場合もあると思います。

これらのケースは、個々の最大不幸が、許容できるレベルなのか否かで、保険額や加入の有無を判断する必要があります。

クレジットカード付帯の海外旅行保険で十分?

海外旅行保険付帯のクレジットカード持っているから大丈夫!という方もいますが、本当に大丈夫でしょうか?クレジットカード付帯の海外旅行保険でうっかり見逃しがちな懸念点は沢山あります。

  • そもそも補償額が十分でないかも?
  • 自動付帯と利用付帯って知ってますか?
  • 同行家族も保険対象になってる?
  • 高額な治療費用の立替えが必要?

クレジットカード付帯保険の補償では足りないかもしれない…

ここ数年取り組んでいた陸マイラー活動のためにかなりの枚数のクレジットカードを発行したため、私は、海外旅行保険が付帯しているカードも何枚も所持しています。それでも、もっとも重要な治療費用の補償額の(自動付帯のみの)累計は600万円ほどでした。

ステータスの高いクレジットカードを所有している!と思っていても、いざ不測の事態に陥った時には不十分な場合も。

例えば、疾病治療の自動付帯保険は下記のような条件です。(2019年2月現在)

  • アメックス ゴールド => 200万円
  • ANA VISA ゴールド => 150万円
  • VIEW Suica カード => 50万円

といった具合で、累計合算して十分にカバーするには、相当数のクレジットカードの保有が必要です。

海外旅行保険の自動付帯と利用付帯

クレジットカードの付帯保険で、次に注意する必要があるのが、その付帯条件。自動付帯とあるクレジットカードは、何も考える必要はないのですが、利用付帯とされているクレジットカードは、各種カード・保険会社が定めた利用条件をクリアしていないと保険の対象となりません。

多くのケースで、利用付帯の条件は旅行代金の決済となっていますが、その旅行代金の範囲は様々です。

例えば、日本でも最も利用者が多いであろう楽天カード利用付帯が条件ですが、補償内容は年会費無料のカードとしては良心的です。

楽天カード(海外旅行傷害保険)
利用条件:自宅から出発空港までの交通費または海外旅行代金
疾病治療費用:200万円まで補償

尚、一般的な契約の場合、疾病治療の保険補償額は累計されますが、死亡保険の補償額は、累計でなく加入している保険のなかの最高額が適用されます。

同行の家族が保険対象かは家族カード次第

クレジットカードの付帯保険で次に問題になるのが、同行家族の補償内容。これも多くのケースでは、同行家族が保険付帯のクレジットカードの本会員であるか、その家族カード保持者でないと保険が適用されないケースがほとんどです。アメリカン・エキスプレスなどの一部のカードでは、家族カードの保有者でなくても補償の対象とするケースもあるようですが、補償額を考えても、同行家族のいる場合は、追加の保険が必要となるでしょう。もちろん同行家族が、クレジットカードなどの付帯保険で十分な補償が確保できている場合は別です。

キャッシュレス治療窓口があるか、立替えか

不測の事態で高額の治療費が発生した場合、治療費の立替支払いが困難なケースも当然出てきます。ここで、キャッシュレスで利用できる提携先の病院を紹介・予約してもらえるかどうかは、非常に重要です。しかし、これも契約先のクレジットカードによってまちまちです。

保険会社の海外旅行保険は万全

上記のようなことを勘案すると、一般的な保険会社が提供する海外旅行保険は、補償内容や適用される家族の範囲、キャッシュレスで利用できる医療サービスなどくまなくカバーされており、安心です。自身のクレジットカードの保険内容を完全に把握している&補償額が十分であるという方以外は、保険会社の提供する海外旅行保険への加入がオススメです。

損保ジャパン日本興亜の新・海外旅行保険 off!(オフ)はオーダーメイドできるらしい

損保ジャパン日本興亜の新・海外旅行保険 off!(オフ)は、個人プランのみオーダーメイド(自由設計)での契約が可能です。個人プランで加入する場合は、治療費用のみの加入や、治療費用と賠償責任のみの加入も可能です。クレジットカードの付帯保険で死亡保険金などが十分な場合であれば、オーダーメイドも選択肢になります。