みなさんサプリメント飲んでますか?
基本的に補助的なものですから、サプリメントを飲んで劇的に健康になるということを期待してはいないのですが、それでも摂取する栄養は健康に与える影響が大きそうなので、個人的にもいくつかのサプリを常用しています。
ビタミンC摂取の目的
ビタミンC摂取の目的は、ずばりスキンケアです。
ビタミンCを毎日2,000mgから3,000mg摂取することで、肌がスベスベになっています。まずビタミンCの摂取は、日焼けによる肌のダメージをやわらげる効果があるようで、ビタミンEと併用することで紫外線からの皮膚のダメージを防いでくれます。
個人的な体験ですが、効果は1週間ほどで感じられるようになり、洗顔の時に額に触れると、それまで経験したことがないくらいスベスベの肌になっていました。
ということで、ヨボヨボで長生きするのではなく、できるだけ若々しくありたいので、ビタミンCを常用しています。
コスパの良いビタミンC
ビタミンC自体は、非常に安価なサプリメントで、私がいつも購入しているもので1,000mg当たりおよそ10円程度のコストしかかかりません。1日あたりのコストに換算しても20円から30円なので非常に手軽なサプリメントだといえます。ワタシがいつも購入しているのは、iHerb.comのCalifornia Gold Nutrition社のGold Cというものです。
適切な摂取量と副作用に関して
ビタミンCは、高用量を摂取しても、一般的な健康状態の人に対して大きな問題となる副作用は生じさせないとされています。とはいえ、相当な過剰摂取によっては、消化管内での不調(下痢・胃腸障害)などが生じる場合もあります。
推奨摂取量に関しては、厚生労働書による日本人の食事摂取基準(2015年版)によると成人で100mg/日程度とされていますが、私は高用量摂取の弊害は少ないと判断し、血液(血漿)中の濃度がもっとも高まる2000-3000mg/日を摂取しています。
ちなみにビタミンCを経口摂取(=食品やサプリメントから摂取)した場合、量を増やせば増やすほど比例して吸収されるわけではなく、吸収率はだんだんと悪くなっていきます。2004年の論文によると、血漿(血液に含まれる液体成分の一つ)中の濃度が3000mg摂取でピーク時に206μmol/Lとなり、1250mgで187μmol/Lになると予想されています。また摂取後の時間経過のグラフを見ても差が微妙なので、これからは2000mg/日を個人的な基準量にしたいと思います。
ビタミンCは風邪には効かない!?
よくビタミンCを風邪の予防や治療のために飲むと言ったような話を聞くことがありますが、各種の研究によると風邪の予防効果や治療効果はほぼないと言われています。激しい運動をするアスリートなどや極度に寒い環境下の人に予防効果が見られたという報告もありますが、一般的には予防効果は軽微で、また風邪をひいてしまった後の治療効果に関しては、あまり期待できなさそうです。
ビタミンCを飲んでも癌(がん)には効かない!?
Googleで「ビタミンC がん」と検索すると「高濃度ビタミンC点滴療法」のサイトがうじゃうじゃ出てきますし、Amazonで同じく「ビタミンC がん」と検索すると「ビタミンCがガンに効く!」的な書籍がわらわら出てきます。
しかし、現時点での各種の研究によると、ビタミンCの食品やサプリからの経口摂取では、癌の予防効果も治療効果も期待薄です。
「高濃度ビタミンC点滴療法」などを推奨しているサイトでは、食品やサプリメントによる経口摂取では、吸収に限界があり有効な血中濃度に達しないとして点滴による静脈内投与が必要としています。確かに点滴などによる静脈内投与は、その後の血漿中濃度が顕著に上昇し、ピーク時には3gで約1760μmol/L、5gで2870μmol/L、10gで5580μmol/L、50gで13350μmol/Lとなることが予想されています。(図-下)
多くのサイトでは、ビタミンCががん治療に効くとする根拠として2005年の論文の研究内容を紹介していますが、人間のがん患者に投与した研究ではなく、高濃度ビタミンCの静脈内投与が実際に効果があるかはまだはっきりとはわかっていません。
「高濃度ビタミンC点滴療法」は健康保険の適用外で自由診療になるため高額(1.5 – 3万円/回 *しかも病院によって同容量でも費用のバラツキが大きい)です。がん治療を期待して投与する場合は、50g以上を週に2回程度必要とされ、ざくっと計算しても月額で15-25万円かかります。まだ十分な効果がわかっていないなかで、この金額を高いと思うか安いと思うか…
ともかく、すくなくともビタミンCを飲んで(経口摂取して)も癌(がん)には効かないと考えるのが妥当です。
リポソームビタミンCは効果がある!?
経口摂取でビタミンCの血中濃度を上げられると喧伝されているのが、リポソーム化されたビタミンCというもの。リポソームとは細胞膜の形状を模してリン脂質で作られる球状のカプセルで、内部の栄養素が消化液などから保護され、小腸で効率的に吸収されるというものです。
リポソーム化されたビタミンCの吸収率が上がるとされる根拠に挙げられている論文を見ると確かに単なるサプリメントよりも吸収効率が良さそうなデータがでています。しかし、じっくりと論文で示された実験を見てみると、一回に5gのビタミンCの摂取では、タブレットとリポソームビタミンCとの血中濃度の差はほとんどなく、20gの摂取で300μmol/Lを超え、36gで400μmol/L程度をピークとする結果が出ています。
当然ながらリポソームビタミンCを摂取してもがん治療に効くかもしれないとされる水準(80%程度のがん細胞を死滅させるのに2000μmol/L)には十分に達しておらず、通常のビタミンCのサプリメントよりも高価なリポソームビタミンC(130円/1g)を一度に36gを摂取するとなると、金銭的負担も大きくなります。
リポソームビタミンCは効果がないとは言えませんが、血中濃度を上げることを目的とする場合には、コストパフォーマンスがかなり悪いサプリメントとなり、個人的にはオススメしません。
結論としては…
まずは、近所のドラッグストアに走って、第3類医薬品のビタミンC錠剤のなかから1000mgあたりの単価が最も安いものを買ってきて、毎日2000mgほどを飲み続けてみましょう。高価なサプリメントでなくとも2週間ほどで肌に変化が感じられるのではと思います。