沖縄本島に数あるリゾート地、なかでもダイビングやシュノーケリングで人気の高い恩納村。そんな村に沖縄に行くたびに寄ってしまうごはん処、おんな食堂があります。
ごはん処とは書きましたが、実のところは素材の味わいをいかしたストレートな美味しさを楽しませてくれるビストロ料理のお店です。沖縄県産の素材もふんだんに使われていますが、いわゆる郷土料理ではなく、あくまでビストロです。
それって食堂なの?と思われるかもしれませんが、常に短パンと魚サンで料理に勤しむ店主と底抜けに明るく快活なサービスを提供してくれる奥様のコンビネーション。そして、時折奥から姿お母さんに甘えるお子様が登場するなど、ある種の緊張感があふれるレストランとは異なるアットホームな食堂の雰囲気がたっぷりなのです。
せっかく沖縄に来たんだからと郷土料理を食べたくなるのは人の常ですが、個人的な経験では、目新しい郷土料理に新鮮さを覚えるのも最初の1-2食ほどで、食いしん坊のわたしなどは、やっぱり自分好みの美味しい食事を食べたくなるものです。
おんな食堂さんのコンセプトもまさにそんなニーズを満たしてくれるもので、「沖縄らしい珍しいお料理を食べたい時は、ぜひ郷土料理を出すお店に行ってください。そして、もしどこにでもあるような、シンプルなビストロ料理が恋しくなったらここに来てください。」なんておっしゃっているかのように感じる、肩の力が抜けたスタイルです。
ところが、肩の力が抜けたシンプルなビストロ料理と言ったものの、その満足度はかなり高いレベルです。都市部であっても惰性でつくるコピペのような料理が跋扈するなかで、ここでは、ちゃんと素材と向き合った愛情を感じるお料理ばかり。
その満足度にさらに拍車をかけるのは、店主が好きなものだけを取り揃えたというワインたち。エルメスやヴィトンに類するハイブランドなワインは一切ありませんが、造り手ひとりひとりの個性がしっかりと表現された自然派ワインがずらっと並んでいます。
どのワインも知る人ぞ知るというワインばかりですが、一般的にイメージされるワインの味わいとはかけ離れた個性たっぷりのワインたちばかりであることは間違いありません。
正直このワインのラインナップは、東京やその他都市の人気店のラインナップと引けをとらない魅力たっぷりのものばかりで、ここに来るとついつい飲み過ぎてしまうのが、幸せなデメリット。
ビストロ おんな食堂
沖縄県国頭郡恩納村前兼久102 <Google Map>
tel:098-964-6877
open:18h-23h 不定休