前回の記事で、痩せない、太る、その原因は食事にあると書きました。つまるところ、食べすぎてしまうから太るのです。
わたしが最も軽かった25歳の頃の体重を維持する食べ方。
では、なぜ食べすぎてしまうのか?
ここには、メンタルの状態が密接に関わってきます。
皆さん誰でも思い当たる節がありますよね?ストレスが多い仕事や生活の中で、ついつい暴飲暴食に走ってしまうというパターンです。
本来人間は、いっぱい食べれば空腹感が無くなり、それでいて溜め込んだエネルギーを燃やそうとするようにできているらしいです。え?そんな馬鹿なと思える話ですが、進化のプロセスを考えると合理的な仕組みではあります。
600万年前の人類の発生から1万2千年前の農業の発明までの約599万年もの期間に及ぶ狩猟採集で暮らしていた時代、手に入る食べ物の量は、季節や場所、運によって大きく左右されていました。たわわに実った果樹を見つけたり、大きなマンモスを狩ることができて、沢山食べれる時もあったでしょうし、少量の食料しか見つからないタイミングもあったと思います。
いっぱい食べれる時は、エネルギーをしっかりと燃やして活動的になれるというのは、当然ですし、それでいて、少ない量しか食べれない時は、省エネモードになってエネルギーを脂肪として溜め込みやすくするのも理にかなっています。
さて、ではなぜ現代だと、食べたら食べただけ、太り続けてしまうのでしょうか?これは、人間本来のしくみが、何らかの理由で働いていない状態となっていると言えそうです。ではその理由とは…
- ストレスによって、食べても食べても満足できない
- 糖質や加工食品など中毒性高い食べ物の摂取が多すぎる
- 睡眠不足によって太る
です。
ストレスによって生じる蟻地獄のような食欲
いっぱい食べれば満足し、エネルギーを燃やしやすくなって活動的になれる。こんな当たり前の自然の摂理を狂わしてしまうのが、ストレスです。
この当たり前のプロセスは、脳やホルモンの作用で機能しているようですが、ストレスが強い状況下というのは、脳やホルモンの作用を狂わせます。
そしてまた、食べても食べても心身ともに満足しない負の連鎖に…
そこまで極端な例でなくとも、こういうケースは日常的です。例えば、デスクワークはほとんどカロリーを消費していないにも関わらず、とてもお腹が空きますよね。そしてついついスナックや甘い物の手を出してしまう。その間食の効果もそんなに長続きはしないで、またもうひとつと手を出してしまうループに。これもデスクワークというプチストレス環境におけるちょっとした狂いだと思います。
同じデスクワークでも、集中できている、楽しんで取り組めている作業の時には、一気通貫に取り組めて、さらにはその間お腹も空かない、空腹すら忘れて没頭できる状態になることがあります。
客観的に見ると同じような仕事でも、ストレス状態かフロー状態かで、人間の生来のメカニズムは違う結果をもたらしてくれるようです。
ということで、痩せたいと思えば、ストレスのコントロール、メンタルの状態をどう整えるかは、やはり重要になってきます。
中毒にさせる食べ物
痩せたければ、スイーツやスナック菓子、ファーストフードなどのジャンクフードは避けるべき!という話も、誰しもが同意し、知ってる話だと思います。
ところがこれが難しい。なぜならこれらの食品は、食べると脳が快感を覚えるように計算され尽くして作られているからです。
人間の脳は、狩猟採集時代に希少な資源だった糖質、脂肪、塩を求めるようにプログラミングされています。それぞれが生命維持に不可欠なものであり、だからこそこれらを探し求めるようにプログラミングしたのです。
現代の食品産業では、このプログラムを逆手にとって、脳が最も快感を覚える糖質・脂肪・塩分のバランスを科学的に分析し、食品開発に活かしています。
そう、スイーツやスナック菓子、ファーストフードなどのジャンクフードは、中毒性のあるドラッグなのです。
この種の食べ物を制限しようとすると、相当な意志力が必要です。当然、メンタルの状態が良くなければ、意志力を発揮することは不可能だと思います。また、そもそもメンタルヘルスが良好であれば、この種のドラッグを必要としなくなるとも言えます。
ところで私、フライドポテトが大の好物です。ところが、このフライドポテト、糖質・脂肪・塩分という快楽物質をすべて備え、その黄金比を研究しつくされた完全なるドラッグなんです。
反米感情の強い中東のとある国においても、フライドポテトなどを提供するアメリカ系ファーストフードチェーンが隆盛を誇るのは、宗教などのイデオロギーよりも快楽が勝るということのようです。
睡眠不足によって太る
ストレスやメンタルの状態が、睡眠の質に影響を与えるというのは皆さん理解しやすいのではないでしょうか。
そしてこの睡眠の質の悪化や睡眠不足は、わたしたちの食欲を暴走させるのだと言います。
これも容易に想像できますが、睡眠不足はある種の酩酊状態と同じで、判断力が鈍り、短絡的な欲求に安易に飛びつきやすくなったり、リスク判断が甘くなるといった状態に陥ります。
つまり、睡眠不足だと自分自身の制御が効かず、ついつい食べ過ぎてしまうのです。
睡眠不足の確保やその質を高めるためには、メンタルヘルスは重要です。仕事の緊張や不安などストレスレベルが高い状態だと寝付きが悪く、目覚めた後も疲れが取れていないというケースを経験されたことはありませんでしょうか?
睡眠のコンディションとメンタルヘルスには、密接な関係があります。ここを整えなければ、健康に痩せるというのは、なかなか難しそうです。
メンタルと食事は表裏一体
色々つらつらと書きましたが、太る原因は単に食べ過ぎであり、その食べ過ぎを引き起こしているのはメンタルだということですから、食事の取り方とメンタルヘルスの関係性は、まさに表裏一体の関係です。
「これだけすれば痩せる!」と謳う巷のダイエット食品やダイエットグッズ、ダイエット法が、一時的に痩せることはあれ結局のところ成果がでないのは、方法論ばかりを無理強いさせても、メンタルの状態が変わらなければ、痩せている状態を維持できないということだと思います。
痩せているというのは、一度合格したら未来永劫その資格が保持されるといった刹那的なものでなく、痩せている状態を維持できるという習慣なのだと思います。
今日の教科書
私のダイエット習慣には元ネタがありまして、さんざん偉そうに書いている内容は、下記の書籍を読めば、よりいっそう深く、よりいっそうロジカルに紹介されています。ヒトという動物が、太る(あるいは痩せる)メカニズムがどういうものなのか、気になった方は、ぜひこれらを手にとって見てください。
?