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前職の年金制度が何だったか!?

脱サラした場合に、ついつい手続きを怠ってしまいそうなのが、年金関係。企業年金制度には、厚生年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金といった種類があるようなのですが、退職前に加入していた年金制度をまず確認しましょう。

加入していた年金制度別の退職後に必要な手続きは、基本的に離職時に案内があると思います。一時金で受け取る、移管するなどどうすれば良いのか不明な点も多く、悩むポイントになります。

ただ、少なくてもどの年金制度に加入していたかは、しっかりと把握しておく必要があります。

年金は放置が危険!

なかでも放置が危険なのが、企業型確定拠出年金です。加入者資格喪失日(退職日の翌日)の翌月から6か月以内に移換手続きを行わない場合、年金資産は自動的に国民年金基金連合会に移換されてしまいます。

この自動移管、経済的には良いところがありません。

  • 自動移管される時に手数料を取られる
  • 運用されない(資産が増えない)にもかかわらず月額手数料を取られる
  • 将来の受給可能年齢が遅れる場合がある

よくわからないから放置…してしまって損しないためにも、約6ヶ月以内に自分自身で移管手続きを行う必要があります。

iDeCo移管先で避けるべき金融機関

移管するにして、まずは移管先の金融機関を選ばなくてはいけません。とはいえ、主だった金融機関においては、2019年2月時点ではサービス内容に差がほとんどありません。

最も重要な負担する手数料は、レガシー系の古めかしい金融機関以外は、業界横並びの最低限に抑えられていますし、次に重要な、選択可能な運用商品も数やセレクトにこそ差はあれ、ここだけは抑えておくべきといった重要な運用商品は、各金融機関で選定されています。

ちなみに、NPO法人 確定拠出年金教育協会という団体が、iDeCoナビというサイトで、取扱金融機関の口座管理料の並べ替え比較できるようなページを用意してくれています。ここでのポイントは、「運用期間中かかる費用(毎月)」を降順(つまり手数料が高い順)に並べ替えて、そこに出てくる金融機関を避けることです。

ちなみに2019年2月27日時点で、「積立を行う場合の運用期間中かかる費用(毎月)」が高いランキングTOP20は下記のような感じでした。

1 十八銀行
2 信金中央金庫
3 山口銀行
4 福岡銀行
5 宮崎銀行
6 SBIベネフィット・システムズ
7 岩手銀行
8 三菱UFJ銀行/三菱UFJ信託銀行【標準コース】
9 百十四銀行
10 秋田銀行
11 明治安田生命保険【スタンダードコース】
12 栃木銀行
13 大分銀行
14 あいおいニッセイ同和損害保険
15 青森銀行
16 山梨中央銀行
17 三井住友信託銀行【プランN】
18 ジャパン・ペンション・ナビゲーター
19 ソニー生命保険
20 損保ジャパン日本興亜DC証券

iDeCoオススメ移管先

数ある金融機関のなかで、iDeCoのオススメ移管先としてピックアップしたのは、下記の証券会社です。

  1. SBI証券
  2. マネックス証券
  3. 楽天証券

ここに挙げた金融機関は、手数料水準は横並びの最低水準ですので、ポイントとなったのは運用商品の内容と種類です。

もちろん、最終的にどんな運用方針を採用するかで最適な金融機関が変わってきますし、運用方針には、「これが完璧!」という答えがなく、個々の人の年齢などの状況によって最適解が異なります。

豊富な運用商品で様々な組み合わせが可能なSBI証券

まずSBI証券ですが、ラインナップが豊富な上、抑えておいてほしい運用商品が網羅されているという意味で、現時点(2019年2月)では一番オススメです。

とはいえ、その他の金融機関も基本的なラインナップは抑えているので、SBI証券のアドバンテージとしては、様々な商品の組み合わせで、複雑な運用ができる=運用方針の微調整ができるという点です。

一例ですが、自分が、20〜40代前半くらいであれば…

  • SBI・全世界株式インデックス・ファンド > 中小含む全世界株式に連動
  • eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) > 日本を除く全世界株式に連動
  • ニッセイ外国株式インデックスファンド > 日本を除く先進国株式に連動
  • eMAXIS Slim 米国株式 (S&P500) > 米国株式指数S&P500に連動
  • レオス-ひふみ年金 > 国内外の個別株を中心に独自の方針で投資

あたりから選ぶ or 組み合わせて運用します。年齢を重ねるにつれて徐々に株式主体からREITや債権を混ぜる感じへとシフトさせていくと思います。

シンプルながらも手堅いラインナップのマネックス証券

現時点ではラインナップ数が少ないマネックス証券ですが、そのなかで選ばれている運用商品はシンプルながらも手堅いもので、必要十分だと思います。

個人的には、年齢が若く積極投資のタイミングには

  • eMAXIS Slim 先進国株式インデックス > 日本を除く先進国株式に連動
  • eMAXIS Slim 米国株式 (S&P500) > 米国株式指数S&P500に連動
  • ひふみ年金 > 国内外の個別株を中心に独自の方針で投資

を組み合わせて運用すると思います。ここでもSBI証券と同様に年齢を重ねるにつれてREITや債権を織り交ぜて調整するイメージです。

独自路線の楽天証券

今回ピックアップしたなかでは、独自路線を突き進むのが楽天証券です。他の金融機関でも多く採用されている定番かつ管理費用が低い運用商品がなく、反対に楽天証券でしかない運用商品があることです。

個人的には、信託報酬等の管理費用が安いファンドで運用したいので、楽天証券はあまり選択肢の上位にきませんが、楽天証券を選ぶ理由となり得るのが下記の運用商品の存在です。

  • 楽天・全世界株式インデックス・ファンド > 中小含む全世界株式に連動

これは、今の世界のほぼ全ての株式市場の動向を反映する指数に連動させたファンドです。言い換えると人類全体の経済活動に連動したファンドと言えます。

長いスパンで見た時に、これまで人類は経済活動を拡大してきましたので、引き続き人類の発展に期待するという意味で、世界のほぼ全ての株式を時価総額に応じて区分所有できるという点が特徴です。

先に挙げたSBI証券にもSBI・全世界株式インデックス・ファンドという同じ指数への連動を目指したファンドがありました。

条件を確認すると、楽天証券の商品のほうが管理費用が高いため、楽天証券を選ぶメリットはなさそうですが、「楽天・全世界株式インデックス・ファンド 」のほうがメジャーで、純資産額も大きいという点は魅力です。

シンプルに全世界株式に投資する!と決めた場合は、楽天証券も選択肢に入れても良いと思います。

加入者か運用指図者か

そして最後に、移管後も確定拠出年金を積み立てていくのか(=加入者)移管した資産のみを運用するのか(運用指図者)を選択する必要があります。

これはiDeCoという制度を活用するのか、しないのか、という選択ともなります。今回は「脱サラ → 起業」という形を想定していますので、オススメは下記となります。

  • 起業後もすぐに安定した収入の見込みがある > 加入者となり積立
  • 起業する事業で資金が必要 > 運用指図者となり移管資産のみ運用

iDeCoのメリットは税の繰延(≒節税)効果ですので、十分な収入がなければあまりメリットはありません。

自分の事業で設備投資や運転資金など資金需要がない場合で、十分な収入が見込める場合は、加入者となり積立を続けてもよいと思います。

その反対に、自身の事業で資金が必要な場合は、その事業に投資すべきだと思います。将来的な発展を信じて起業するわけですから、世界株に投資したりするよりも大きなリターンが期待できるはずです。

そして、余裕資金が出来てきた時点で、運用指図者から加入者への変更手続きをすれば良いと思います。

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脱サラしたら国民年金に加入しよう!

これは、脱サラして〇〇で起業しよう!めっちゃ儲かるから…というマニュアルではありません。

脱サラした後にしなければいけない膨大な手続き(年金・健康保険・企業型確定拠出年金移管)などを実体験をもとにまとめたものです。

内容の正確性は保証しておりませんので、不明点は、市区役所・町村役場の国民年金担当窓口にご相談ください。

ということで第1回は、国民年金への加入です。

企業勤めで厚生年金に加入していた方が、退職した場合、転職などでブランクなく(←この意味の理解が難しい)次の企業に勤めた場合や自身の法人を即時登記し社会保険(厚生年金・健康保険)に加入した場合などを除いて、国民年金への加入が必要になります。

退職後 → 即起業(法人登記・社会保険加入)

ブランクなく転職のケースと同様ですが、このケースも基本的には国民年金の加入手続きは必要ありません。

が、いくつか注意するポイントがあります。

このブランクなくというのが厳密にどういう意味なのかが問題になってきますが、退職日がその月の末日か、月中かで大きく変わるようです。

例:12月31日付けで退職した場合
○ 1月中に法人登記及び社会保険加入手続き完了 → 国民年金加入手続き不要
× 1月中に法人登記したが社会保険未加入 → (1月分の)国民年金加入手続き必要

例:12月30日付けで退職した場合
× 1月中に法人登記及び社会保険加入手続き完了 → (12月分の)国民年金加入手続き必要

これは、

社会保険の資格喪失日 = 退職日の翌日
社会保険の加入資格の有無 = 月末日時点での在籍の有無

となっているためです。

※参考:厚生年金保険法 第十九条
被保険者期間を計算する場合には、月によるものとし、被保険者の資格を取得した月からその資格を喪失した月の前月までをこれに算入する。

退職後 → 法人登記・社会保険加入までにブランクがある場合

社会保険の資格喪失日(退職日の翌日)の当月中に法人登記・社会保険加入が完了しない場合は、国民年金への加入手続きが必要です。

前記のタイムスケジュールから逆算すると法人登記から社会保険への加入手続までをよほどスムーズに進めない限り、国民年金への加入手続は必要になりそうです。

勝手な想像ですが、多くの人のケースで、最低1ヶ月は国民年金に加入する必要が出てくるのではと思います。

そして、問題は、国民年金は自身での(扶養している家族がいれば家族も)加入手続きが必要となるため、この手続きを忘れてしまうと未納期間が生じてしまいます。

退職後 → 即起業(個人事業主)

ここまでは、起業=法人設立としてお話してきましたが、個人事業主として起業する場合はどうなるでしょうか。

個人事業主の場合、ポイントとなるのは常時働く従業員の数が5人以上かどうかです。従業員が5人以上いる事業所では、社会保険への加入義務があります(除外される業種あり)。

となると、これまたよほど用意周到に準備された起業で無い限り、当初は国民年金加入からのスタートとなると思います。

あえて、社会保険に加入したいというケースの場合は、任意適用申請の手続きを取ることになりますが、保険料の滞納の恐れがないかなどを確認するために原則3ヶ月以上の事業継続が必要となるようです(これも原則なので例外あり)。

いずれにせよ個人事業主として起業した場合は、国民年金への加入が必要なケースが多そうです。

国民年金の加入手続

住まいのある市区役所・町村役場の国民年金担当窓口で手続きします。必要となる書類などは、各役所のウェブページなどで説明されています。

一般的なケースだと

  • 印鑑
  • 年金手帳
  • 離職証明書(またはそれに準ずる退職した事実が確認できる書類)

を持参するケースが多いようです。

扶養家族(配偶者)がいる場合

従来、社会保険の扶養家族としていた配偶者(夫・妻)がいる場合は、その配偶者も国民年金の加入手続きが必要となります。

国民年金の第3号被保険者制度という会社員や公務員に扶養される配偶者は、年収など一定の条件下で期間中は保険料負担なしに保険料納付済とされる制度がありますが、自身が退職などで社会保険の資格を喪失した場合は、配偶者も第3号被保険者の資格を喪失するためです。

自身の手続きで手一杯で配偶者の加入手続きを忘れていた…なんてよくありそうですよね。お気をつけください。